ウッドデッキスロープ
ご家族の方がご病気で近い将来車椅子が必要になるという診断だったため、介護住宅改修費の助成金を使って部屋へのスロープを作りたいというご依頼でした。
どこのお宅でもそうですが、玄関ポーチに2〜4段の段差があり、玄関に入っても部屋に上がるのに1段の段差があります。これからますます高齢化社会になるというのに、建築業界は今だに段差の解消には向かわず、都内ではますます基礎が高くなり、そのために玄関ポーチの段差も増える一方です。
今回のケースでは建物自体は古いため、今ほどの玄関ポーチの段差はなかったものの、それでも介護のお部屋までのアプローチが車椅子では難しいということで、お部屋にある掃き出し窓から入れるようにスロープ付きのウッドデッキを作ることになりました。
基礎の排気口などのこともあり、タイルテラスなどコンクリート工事で作るには難しく、予算もかかり、樹脂デッキではスロープ対応はできないため、天然木のウリン材を使って作りました。
スロープ部分のみ横向きにデッキ材を張りって滑りにくくしたり、フェンスを手摺がわりになるよう高さを80cmにするなど、スロープ仕様の設計をしています。
もちろんウッドデッキですので、既存の葡萄棚の下で小さなめのテープルとイスを置き、お茶などを入れて寛ぐこともできます。
ウリン材は硬く、重く、塗装しなくても耐久性に優れた木材ですが、欠点が価格が高いこと(樹脂デッキよりは安いです)、硬くて加工が大変、そして一番は施工して最初の頃に灰汁がでることです。通常のお庭のように土の上であれば全くわかりませんが、今回のようにコンクリートの上に施工すると、1枚目や3枚目の写真のように赤く灰汁の跡が付いてしまいます。ですが、これも雨に当たりながら年を重ねるごとに薄くなっていき、最終的には目立たなくなります。施工をご依頼する際には特にこの灰汁の点はあらかじめご了承いただき、もし当社以外の業者で施工を行う際には、施工前に材料を納品するような場合には仕上げの砂利やコンクリートの上には置かないようにご注意ください。